コットンの繊維と"価値"の考察

こんにちは、岸田です。

今日は育てたコットンを糸にする工程で、

発見があったのでそれについて。

糸紡ぎをする前の段階に

カーディングという

繊維を一定方向に整える工程がある。

ある日いつも通りカーディングをしていたのだが、

どうも様子がおかしい。

繊維の中にツブツブがいて、

いくらカーディングをしても伸びない。

どうやら元々繊維にツブツブがある固体がいたらしい。

その時は、

出来が悪い(質が悪い)コットンはこんな感じになるんや!

と思ってひとまず避けておいた。

いつもの繊維

いつもの繊維

ツブツブありの繊維

ツブツブありの繊維

次の日になってみて

ふと、ツブツブがあったら質が悪いって誰が決めたんや!

別に糸に紡げるんじゃないかな。

と思い立って、紡いでみた。

たしかにいつも通りの糸にはならなかったが、

ツブツブありの糸も悪くない。

むしろかわいいとさえ思える。

いつもの糸

いつもの糸

ツブツブありの糸

ツブツブありの糸

このときにモノの”良い” ”悪い”って

なんなんやろうか。って思い少し考えてみた。

糸の質の良さに関しては、

おそらく一般的には細くて長い繊維を使って、

強く、しかししなやかなものが良いとされるではないか。

確かに一度友人に触らせてもらったグアナコの生地は、

息を呑むほど美しく、気持ちよかった。

あるいは、大量生産の機械織りに耐えうる

限りなく均一で強い糸も良い糸と言えるかもしれない。

では、手紡ぎ手織りで服を作ろうとしている者にとって、

その一般的に”良い”とされている糸は本当に良いのか。

均一で強い糸は手織りにはオーバースペックなようにも感じる。

不均一でそれほど強度がなくとも、手織りだと織れる。

私にとっては、ツブツブの入った不均一な糸も

一時は使わないでおこうかと思ったが、

最終的には良い糸だと実感できた。

一般常識的な”良い” “悪い“や

ネットの情報だけにとらわれずに、

自分にとっての”良い”モノを

自分の手で触れて

自分の頭で考えてみることは

今、とても大事なのではないかなと思いました。

好みの問題だ、と言われればそれまでだけど、

私の活動、作る服が

このような”自分で考える”キッカケの一助になれば幸いです。

少し長くなりました。

ではまた。

Previous
Previous

Land to Skin 2020 start!

Next
Next

4月28日